【摘果とは?】蔵出しみかんの味の分かれ道!摘果をしないとどうなるか解説

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摘果とは「幼い果実を、成長の早い段階で意図的に間引く作業」

摘果(てきか)とは、
みかんをはじめとする果樹が実らせた多くの幼い果実を、成長の早い段階で意図的に間引く作業のことです。

植物は子孫を残すために、収穫できる量よりもはるかに多くの花を咲かせ、実をつけます。
しかし、みかんの木についたすべての実をそのまま育てようとすると、一つ一つの果実に供給される養分が分散してしまいます。

そこで、摘果を行うことで果実の数を適正な量に制限し、残した果実に養分を集中させます。
これにより、果実が大きく育ち、糖度が増すなど、品質の高いみかんを収穫することが可能になります。

また、果実の重みによる木の負担を軽減し、翌年以降も安定して収穫するための重要な作業でもあります。

このひと手間が、甘くて味の濃い高品質なみかん、特に熟成させることでさらに旨味が増す「蔵出しみかん」のような特別な果物を作るための第一歩となります。

摘果の種類

摘果は、大きく分けて粗摘果仕上げ摘果の2段階で行われるのが一般的です。

摘果の種類:粗摘果(あらてきか)

粗摘果は、みかんの木が自ら実を落とす生理落果(自然に実が落ちる現象)が終わった後に行う、1回目の本格的な摘果作業です。この段階では、主に以下のような基準でみかんの果実を間引きます。

  • 傷や病害虫の被害がある果実
  • 形が悪い、または極端に小さい果実
  • 上向きや下向きについているなど、生育に適さない位置の果実

まずは明らかに品質の向上が見込めない果実を大まかに取り除くことで、木全体の負担を早期に軽減し、残したみかんの初期生育を促すことが目的です。

摘果の種類:仕上げ摘果

仕上げ摘果は、粗摘果の後に、より厳しく果実を選別する作業です。みかんの果実がある程度の大きさに育ち、最終的な品質の見極めがしやすくなった時期に行います。

この段階では、果実同士がぶつからないように間隔を調整し、木の大きさや枝の勢いに応じて最終的な着果数を決定します。例えば、美味しいみかんを育てるには「葉の数が20~25枚あたり果実1個」といった基準を参考に、最も形が良く、健康な果実だけを残します。

この丁寧な作業こそが、後に「蔵出しみかん」として出荷されるような、糖度と酸度のバランスが取れた、味の濃い果物を育てるための鍵となります。

摘果をしないとどうなる?

もし摘果を行わずにすべてのみかんの果実を育てた場合、以下のような問題が発生します。

  • 果実が小さくなる
  • 味が落ちる
  • 隔年結果(かくねんけっか)を引き起こす
  • 木の寿命を縮める

それぞれ解説します。

摘果しないと発生する問題①:果実が小さくなる

一つ一つのみかんに十分な養分が行き渡らず、全体的に小玉傾向になります

木の光合成によって作られる養分の総量には限りがあります。たくさんの実がその限られた養分を奪い合うため、一つあたりの取り分がどうしても少なくなってしまうのです。

結果として、本来なら大きく育つはずのみかんも、手に取った時にずっしりとした重みや満足感が得られない、小さなサイズで成長が止まってしまいます。

摘果しないと発生する問題②:味が落ちる

養分不足は、味に最も深刻な影響を与えます。

美味しいみかんの条件である高い糖度と、それを引き立てる適度な酸味のバランスが崩れてしまうのです。糖分が十分に蓄積されず、全体的に水っぽく、味の薄いみかんになってしまいます

また、果肉の粒々感やジューシーさも失われがちです。さらに、内側の皮(じょうのう膜)が厚く硬くなり、口当たりが悪くなることもあります。

せっかく実っても、多くの人が期待する「甘くて味の濃いみかん」にはならず、その魅力は半減してしまいます。

摘果しないと発生する問題③:隔年結果(かくねんけっか)を引き起こす

果実をたくさん実らせたみかんの木は、その年の子孫(果実)を育てるために、蓄えていた養分をすべて使い果たしてしまい、極度に疲弊してしまいます。

これは、翌年の準備に回すエネルギーが全く残っていない状態です。そのため、翌春に花を咲かせるための花芽(かが)が作られず、結果としてほとんど実をつけない「裏年」を迎えることになります

このように、収穫量が極端に多い表年と、ほとんど収穫できない裏年を繰り返す現象が隔年結果です。

摘果しないと発生する問題④:木の寿命を縮める

過剰な着果は、木に物理的・生理的な負担をかけ続けます。

物理的には、未熟で小さな果実でも数が多ければ相当な重さになり、細い枝はその重みに耐えきれず、しなったり、ひどい時には折れてしまったりします。折れた箇所から病原菌が侵入するリスクも高まります。

生理的には、毎年養分を使い果たして疲弊し続けることで、木全体の体力、いわゆる「樹勢(じゅせい)」が徐々に衰えていきます。体力が落ちた木は、病害虫への抵抗力や、干ばつ・寒波といった厳しい環境への耐性も弱まります

こうした負担が長年蓄積されることで、木の健康は損なわれ、本来ならもっと長く美味しい実をつけてくれるはずのみかんの木の寿命を縮めてしまうことにつながるのです。

摘果をするタイミングは?

摘果のタイミングは、みかんの品種やその年の気候によって異なりますが、一般的には以下の時期が目安となります。

粗摘果の時期

みかんの生理落果が落ち着いた7月頃に行われます。この時期に不要な実を早めに取り除くことで、効率的に養分を残した実に送ることができます。

仕上げ摘果の時期

果実の大きさが最終的な品質を判断できるくらいになった8月下旬から9月頃に行います。この時期に最終的な着果数を調整することで、収穫時の果実の大きさと品質を高いレベルで揃えることができます。

適切な時期に、適切な量の摘果を行うことが、毎年の安定的で高品質なみかん作りには不可欠です。

この地道な作業の積み重ねが、収穫後に貯蔵・熟成させることで、まろやかで濃厚な味わいを生み出す「蔵出しみかん」のような逸品につながっていくのです。

\まごころ産直みかんの/

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